Archive for October 2006

23 October

埼玉新聞が書籍を紹介


2006年10月23日(月)付けの埼玉新聞が「発達障がいを持つ子の『いいところ』応援計画」を紹介しています。

(以下埼玉新聞から引用)
発達障害児を応援
所沢市教委・阿部さんがガイド本出版
 
 所沢市教育委員会「健やか輝き支援室」の阿部利彦さんが、特別支援教育の参考に「発達障がいを持つ子の『いいところ』応援計画」(ぶどう社)を出版した。特別支援教育は従来は見落とされる可能性が高かった軽度発達障害の児童、生徒を支援するのが特徴だが、混乱が生じている学校現場も少なくない。阿部さんは「教師、父母をはじめ、私たち支援者の役割は、子どもの問題点を指摘して直そうとするのではなく、いいところを見つけて応援すること」と呼び掛ける。
本には特別支援教育の参考になる授業の工夫が細かく掲載されている

 通常学級で「いいところ」をどのように見つけて伸ばすのか。発達障害の子どもに対応する場合、個人に焦点を当て、その子を変えようとする教師が多い。阿部さんの視点がユニークなのは、子どもを取り巻く環境を重視している点だ。

 「子ども同士の人間関係の中でトラブルが起き問題が大きくなる。まず、クラスの雰囲気を柔らかくすることが大切」

 教室の現状を独自の言葉で表現する。問題行動をまねる「模倣犯」、わざと刺激する「天敵」など、教師にも分かりやすく解説した。

 「先生は忙しい。特別支援教育と聞いて、今の授業とは別のものと、とらえると疲れてしまう。教師が現に対応している工夫の中から良い部分を見つけ、それを強める方法で大丈夫と分かれば、ほっとする」

 「心のストライクゾーンを広げる」との発想もユニーク。多動の子に対し、「机に十五分しか座っていられない」とみるか「十五分も座っていられる」とみるか。子どもを受け止める気持ちの幅を広げることで支援のヒントがわいてくる。

 授業や掃除、給食の工夫など「いいところ」を伸ばすためのヒントも盛りだくさん。「教師が日常的に行っている教導こそが最大の支援。その子が自覚できるような行動の変化を提供してあげることが大事」と言う。

 健やか輝き支援室は主に学校の依頼で教師をサポートする機関で、阿部さんは支援委員を務めている。何度も現場に足を運び、教室の現状をつぶさに見てきた。

 「キモイ」など殺伐とした言葉が飛び交う教育現場の日常の中で「まずは温かい言葉の貯金を増やすこと」と阿部さん。本自体に子どもや教師、親を励ます言葉があふれている。千七百円。問い合わせは、ぶどう社(電話03・5283・7544)へ。

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20 October

埼玉県議会が共に育ち学ぶための環境整備を求める意見書採択

10月12日、埼玉県議会は以下のような意見書を採択しました。

共に育ち学ぶための環境整備を求める意見書


 平成16年6月に改正された障害者基本法では、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為を禁止するとの基本的理念が初めて規定された。また、改正に当たり、参議院で、障害のある児童・生徒とその保護者の意思及びニーズを尊重しつつ、障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒が共に育ち学ぶ教育を受けることのできる環境整備を行うべき旨の附帯決議がなされた。
 また、小中学校等における特別支援教育の推進等のために行われた平成18年6月の学校教育法の改正の際には、衆参両議院で、障害者基本法に基づき、障害のある子どもとない子どもとの交流及び共同学習を積極的に推進すべき旨の附帯決議がなされた。
 このように、近年、教育の分野におけるノーマライゼーションの理念の推進が、強く求められている。しかしながら、障害のある児童・生徒が通常の学級で学ぶことを希望しても、施設整備や教職員の配置など財政上の課題が多く実現されない場合もあり、依然、理念の実現には遠い状況にある。
 よって、国においては、障害者基本法の理念の実現や学校教育法による特別支援教育の推進のため、下記の措置を講ずるよう強く要望する。

記 1 障害者基本法の精神を尊重し、障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒が分け隔てられることのない教育を原則とするため、学校教育法施行令を速やかに改正すること。
2 通常の学級に在籍する障害のある児童・生徒が、共に育ち学ぶための介助などの必要な人員を確保するための人件費を含めた環境整備費について、財政的措置を講ずること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成18年10月12日


埼玉県議会議長 田島敏包


 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣   様
 文部科学大臣

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